電気系の学校を卒業して電気工事士の資格も取得したことから、就職先には電気工事や通信関係も考えましたが、やはり好きなことを仕事にしたいと思い、大都技研を選びました。入社後は開発部門に配属になり、現在は主にぱちんこ機に搭載される基板の回路設計を担当しています。ぱちんこやスロットなどの遊技機の内部はたくさんのパーツで構成されており、回路基板もその中のひとつ。普段は外から見える場所ではないため、馴染みが少ないかもしれませんが、基板は遊技機の頭脳と言われており、その台の演出や性能を左右する重要なパーツです。そのような重要な部品を手がけられるということに、設計者としてとても誇りを感じています。
単純に回路のことだけを考えるならば、基板は大きい方が製作も簡単です。しかし、現実的には遊技機自体のサイズにも制限があるため、基板もそこに収まるようなサイズに設計しなければなりません。また、生産性やコスト面のことを考えながら使用する部品も徹底的に比較検討を行うのですが、実は遊技機に搭載できるパーツには法的な制限があり、なんでも自由に使えるというわけでもありません。諸々の制約が多い中で、いかに高度な回路を組み上げられるか。そういった要素もこの仕事の魅力のひとつだと思います。
もうひとつの魅力は、なんといっても自分が好きなものを自らの手で作り上げられるということ。もともと大都技研のファンだったこともあり、今でも新しい台が登場するときは一ファンの気持ちに戻ってワクワクします。スロットに打ち込んでいた学生時代に「こんな台があったらいいな」とか「こんな演出を見てみたいな」と想像していたことが実現できるのは、本当に嬉しいですね。
私たちが手がけている遊技機は、人を楽しませるためのものです。一台の機種をリリースするためには、長い年月と大変な苦労が付きまといますが、それでも私たち自身が楽しみながら製作を進めないと、本当に面白いものは生み出せません。私のモットーは、プロジェクトに関わるすべての人が楽しみながら仕事ができるような雰囲気を作ること。業界のルール変更などのどうしても避けられない事情で、修正作業が発生してしまうこともあるのですが、そういったときでもメンバーに声をかけながら、チームのモチベーションが下がらないように心がけています。大都技研にはさまざまなタイプの人が集まっていますが、「ぱちんこ・スロットが好き」「もっと人を楽しませたい」という想いは同じ。趣味や話が合うので、どんなに大変な状況でも楽しみながら仕事に取り組むことができています。
現在私は、出玉性能などを管理するメイン基板を担当しているのですが、今後は演出面を統括するサブ基板の設計にも携わってみたいと思っています。最近の台は視覚的な演出が複雑かつ多様になってきているため、サブ基板には高度な技術が欠かせません。このサブ基板を一人で設計できるようになれば、技術者としてさらに一段階レベルアップできるはず。そのために今はプログラミングなどの自分の業務には直接関係のない技術の習得にも努めています。ソフトウェアの担当者が社内講義を開いてくれるなど、大都技研には技術の習得がしやすい環境が揃っています。この恵まれた環境を活かしてチカラを身につけ、より多くの人を楽しませられるような台を手がけてみたいと思っています。