仕事は、大きく分けてふたつあります。ひとつは、遊技機の量産化に向けて製造ラインの構築を行うこと。図面を引いて設備機器の配置を考え、稼働のシミュレーションやテストを繰り返し、製造スタッフのマネジメントを行うというのが一連の流れです。直近では、スタッフ120名で1日1300台の遊技台を製造するラインを手がけました。もうひとつの仕事は、既存の製造ラインの効率化や省力化を図ること。30以上に及ぶ製造工程を見直したり、人員の配置を変更したりすることによって、製造コストの削減を目指しています。部品の取り付けスピードを速める治具や、部品を数えるカウンターなど、アイデアを活かして生産性向上につながる道具を自分で製作したこともありました。
この仕事は、いわば製造の司令塔。若手でありながら、自らが主役となって働けるのが醍醐味です。うれしい瞬間は、自分が思い描いたとおりに製造ラインが機能したとき。その後の改善によって効率化や省力化を実現できたときも、達成感を得られます。しかも、仕事の成果が「生産性」という目に見える数字であらわれ、会社の利益に直結。製品の品質を左右する仕事なのでプレッシャーもありますが、責任の重さに比例して大きなやりがいを実感しています。生産性向上につながる道具を自作したときなどに、モノづくりのおもしろさを味わえるのも魅力。また、新たなラインが立ち上がるたびに製造スタッフを募集するので、毎回多くの人と関われるのも楽しみのひとつです。
製造管理の仕事に就いて、初心を忘れないよう心がけています。過去に必要な製造スタッフの数を見誤り、納期までに製造が間に合いそうにないという事態を招いてしまったことがありました。急きょスタッフを増員することで対応したのですが、このようなミスはしっかり準備を行っておけば防げたはず。以来、より慎重に稼働のシミュレーションやテストを行うようにしています。それに加えて、自分ひとりではなく複数人の同僚と一緒に何度もチェックするようになりました。また、当社の製品は人の手によって組み立てていくもの。ですから、積極的に声がけをして不安を取り除くようにするなど、製造スタッフとのコミュニケーションも大切にしています。
私のミッションは、必要な台数の遊技台を必要な期日までに製造すると同時に、製造ラインの最適化によって会社の利益に貢献すること。滞りなく自分の役割をまっとうし続けることが、目標というより使命であると考えています。また、一貫体制でモノづくりを手がけている当社には、多彩な活躍のフィールドが存在。たとえば、私が携わっているのは組み立ての製造ラインですが、品質検査を行うラインや物流体制を構築するラインもあります。そのほか、同じ製造ラインであっても、遊技台の種類によって求められる知識やスキルはさまざま。今後はジョブローテーション制度を活用して、さまざまな側面から製造に関する仕事に携わってみたいと思っています。