どんなに演出が面白くても、どんなに画期的なシステムを搭載していても、どこかに問題を抱えている機種は世の中に出すことはできません。
現在所属している品質保証部の役割は、製品の品質を守る砦となって、全ての製品で目的の品質レベルを実現させることです。
その中で自分の役割は、完成した新製品の評価試験を行い、製品に問題がないか確認すること。評価試験にはボタンやレバー、可動するユニットなどの機構部と基板などの回路部などが対象となります。
遊技機は、ユーザー様がお金を払って遊ばれるものですので、些細な不具合でもトラブルにつながりかねません。特に大都技研の機種は世間でも高い注目を浴びているため製造台数も膨大。不具合が発生した場合はホール様にもユーザー様にも多大な迷惑をおかけしてしまいます。私たち品質保証部は、作り手である大都技研とホール様やユーザー様をつなぐ最後の砦。常にその気持ちを忘れず、日々の評価に取り組んでいます。
冷蔵庫やテレビといった家電製品も、遊技機と同じような検査やテストを行っていますが、遊技機の評価には独自のものがたくさんあります。たとえば耐久性。遊技機は基本的にはほぼ毎日、長時間稼働するものですので、スロットでは3年間毎日遊技されるレベルの負荷を与えて故障しないか確認します。さらに、ユーザー様の中には熱くなるあまり台を手荒く扱う方もいらっしゃいます。どんな部位に、どんな負荷が与えられるかを想像し、新しい評価方法を考え出すことも私たちの大事な仕事。常にホールに足を運び、ユーザー様の動向などを自分の目で確認しながら評価方法のさらなる向上を目指しています。 また、どんなに製造過程で完璧なものを作り上げても、輸送や保管の段階で不具合が発生してしまうことも考えられます。輸送中の振動にはどの程度耐えられるのか。保管場所の温度や湿度が高くても機械にダメージはないのか。あらゆる可能性に想像を張り巡らせる柔軟な思考回路が、品質保証部には求められます。
企画をしたスタッフも設計を手がけたスタッフも皆、良いものを生み出したいという一心で仕事に取り組んでいます。ですが、複雑な仕組みを持つ遊技機の開発にミスは付きもの。設計者すら気がつかなかったような不具合を発見し、事前に対処できたときには強いやりがいを感じますね。あとは先ほども言いましたが、評価方法は機種の性質などによって更新していかなければならないため、常に自分たちで最善の方法を模索しなければなりません。大変ですがその分、毎回新鮮な気持ちで仕事に取り組めるため、好奇心旺盛な人やあらゆることに疑問を持てる人には最適な部署だと思います。
評価の仕事は、設計や開発段階はもちろん、製造、輸送、市場環境など、広範囲にわたる知識が求められます。すべてを完璧に覚えることは難しいですが、過去の事例などをもとに、できるだけ幅広い知識を身に付けたいと思っています。
目指すのは「分からないことは、とりあえずアイツに聞いてみよう」と個人指名されるようになること。何年やっても勉強の毎日ですが、製品や評価に関する知識をさらに高めて、早くその目標に到達できるよう頑張りたいと思います。